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怪我の直後の【RICE】処置、2022年現在でも通用するのか…それとも…?

こんにちはPerformance Center Oltreです。

今回はタイトルにもある学校の保健体育でもならったであろう
RICE処置(Rest, Icing, Compression, Elevation)について、
現代でこの処置が果たして通用するのか、それともしないのか
について焦点をあててお話していきたいと思います。

Contents

RICE処置の歴史

Icing Broken, Fractured or Sprained Foot or Ankle in Cast

まずこのRICE処置、これを提唱したのは医師であるゲイブ・ミルキンという人物であり、
医者やコラムニストなど様々な顔を持ったかなり高名な人物であるとされています。

そしてRICE処置は彼が執筆し、1978年に発売された”The Sports Medicine Book”という
本の中で紹介された処置法であるとされています。

そしてこの処置法が紹介されて以降、多少のマイナーチェンジを遂げながらも怪我直後の
応急処置法としての地位を確固たるものとしてきました…そう2014年までは…

Icingの否定

Rice処置の基本であるIcing(冷却)、これをやる主な理由は以下、

1.痛みの緩和(神経伝達の速度を低下させる)
2.幹部の炎症の軽減
3.細胞の代謝を低下させ細胞への2次的なダメージを抑制

細かく言い出せばもう少しありますが、まあ主な所はこんな所です。

そしてこの効果に関しては疑いの余地はなく、実際にアイシングをすることで
このような変化は体の中で起こります。

ただし問題はこの中の2番にある、患部の炎症の軽減についてです。

この炎症、イメージとしてものすごく悪いものととらえられがちですが、
場合によっては決してそんなことはありません。

というのは怪我した直後に炎症が起きるというのはもはや”必然”であって
もはやこれなしに、我々の身体は治癒が正常に始まらないからです。

炎症というの怪我が治るまでの過程をざっくり3段階に分けたときの
最初の段階であり、身体にとってある程度必要なことなのです。

そしてその炎症をアイシングをすることは場合によって治癒までに
かかる期間を延ばしてしまうことにもつながります。

これは数々の研究でも実際に結果として出ていることであり、
RICE処置を提唱したゲイブ・ミルキン氏も2014年に出版された本
”ICED! The Illusionary Treatment Option“にてIcingについて
否定的な意見を述べています。

無理矢理日本語に訳すと”冷却!幻想の治療選択”みたいな感じかな(笑)

まあそんなこんなでRICE処置の中のIcingについて2022年現在では
怪我をしたときに行う場合は少し考える必要があるかもしれません

もちろん痛みを取ったりといった効果は間違いなくあります。
なので私は炎症の代わりにIcingを悪者にしようとは思っておりません。

ただし、知識の1つとしてこの情報が広まることを願っており、
処置の方法を正しく選ぶための助けになっていただければと思います。

最新はPEACE & LOVE

そうです愛と平和です。

これこそがRICE処置に代わる2022年現在の新たなグローバルスタンダードです。

Soft tissue injuries simply need PEACE & LOVE - BJSM blog - social media's  leading SEM voice
参照元:https://blogs.bmj.com/bjsm/2019/04/26/soft-tissue-injuries-simply-need-peace-love/

まあここに至るまでには途中にPRICEやらPOLICEやら挟んではいますが、
現在は見事にこのPEACE & LOCEに着地しました。

これについては結構色々な方がすでに説明しているので、ここで詳しく紹介したりはしません。

まあ提唱した人物・団体も全然違うので別物といえば別物ですが…
応急処置から復帰までの処置や考え方の最新版がここには詰まっています。

そしてお気づきの方もいらっしゃると思いますが、ここにはもうあのIcing(冷却)はありません。
というか抗炎症剤の使用やIcing(冷却)は避けましょうと明確に書かれてしまっています(笑)

RICE処置のその他の項目はありますね。
ただしRICE処置のRの部分であるREST(休息)については怪我をしてから初期の段階に限ります。

そのため痛みがある程度落ち着いた後、ずっと休んでいると返って復帰まで時間がかかるので
ここは専門家と相談しながら適切な負荷をリハビリでかけていきましょう。

最後に

今回RICE処置法の特にIcing(冷却)に焦点をお話してきましたが、皆様はどう思われましたか?

もちろんこれに関しては様々な研究やそれに伴ってたくさんの意見があるとは思います。
何度も言うようですが私もIcing(冷却)を悪者にしようとしているわけではありません。

ただし今後Icingを行う際はこういった事実があるということは理解した上で、
炎症で患部が熱っぽくなっていてもむやみやたらな冷却は避けましょう。

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