怒りとパフォーマンスの関連性
皆さん最近何かに怒りを感じたことありますか?
まあできれば怒りの感情なんてものはできれば抑えて人生を歩んでいきたいというのが普通の人間の心情ですよね。正直怒るのってけっこう疲れますしね…
アスリートならば経験ある方多いのであないかと思いますが、この怒りの感情って本当にコントロールが難しく試合中にこれが出ると一気に流れが変わったりします。
もちろんこれは良い方にも悪い方にもどちらにも転んでいく可能性はあるのですが、大抵は冷静さを失ってしまうため悪い方に行ってしまうことが多い気がします。
そんなこんなで試合中に怒りを爆発させるといった行為は基本的にはパフォーマンスの低下に陥る可能性が大きそうですね。
しかしです、これトレーニング中はどうなのでしょう?
というのも別にトレーニングは一部を除き基本的には単純な動作の反復です。
単純な動作だったらたとえ冷静さを失ったところで体が動いてくれればいいわけですから試合の様に相手がいる状況とは違い、あまりその動作のパフォーマンスを落としたりはしなさそうですよね?
まあそんなこんなで個人的にどうなもんなのかなと思い少し調べてみたので現存する研究結果を参考にしながら考察していきたいと思います。
まず単純なパワーに関してですが、いくつか実験結果がでており結論から言うと上昇するということが確認されています。
もちろんなぜ上昇するのかというとろこに関しては推測の域を出ない形にはなりますがおそらく、怒りの感情で発生するアドレナリンの影響が強いのではないかと思います。
具体的にはアドレナリンの影響で心拍数が上昇することによって血流が上がることにより、酸素の供給量が増えパフォーマンスの向上が起きたり、筋肉の燃料であるグルコースの生産を促進されたりエネルギー面に関してはこれである程度説明がつく形です。
しかしながら、これだけだとなんだかエネルギーの供給が上手くいきそうだけどただ単に持久力だけ上がりそうではありますよね?
ですがアドレナリンはただ血流を促進したり糖分の代謝を促したりするだけではなく、他にもスポーツを経験している人ならば必ずといっていいほど経験しているであろうある現象も同時に引き起こします。
というのも例えば試合中にちょっとした怪我をした際、あんまり痛みを感じないって時ありますよね?
はたから見ると明らかに痛そうな傷だったりするのに本人だけが全然気にしていないみたいな(笑)
まあ言ってしまえばアドレナリンの興奮作用?で一時的に感覚がバカになっている感じです。
もちろんこの全てがアドレナリンのせいであるとして結論づけるのはあまりに無理がありますが、ある程度の鎮痛効果を及ぼしていることは確かでしょう。
そしてその鎮痛作用が、トレーニング中に本来痛み等が邪魔して発揮できないような力もその影響によってだせてしまっているのだと考えられています。
まあここまで書いてきて最初の怒りとパフォーマンスの関係の考察からアドレナリンとパフォーマンスの関係へと話がそれてしまった感はありますが、怒りという物を考えたときに切っても切り離せない物質だとは思うので今日のところは良しとしましょう…
また今度気が向いたら改めて同じテーマでアドレナリンを切り離して考察を加えようと思います。
ちなみに日本ではアドレナリン(Adrenaline)が一般的な呼び名かと思いますが、アメリカではエピネフリン(Epinephrine)と呼ばれることが多いです。
アメリカの大学での授業で初めてEpinephrineという呼び方を聞いた時は非常に混乱したのを今でも覚えております。
それではまた。
参照:
1.Davis, P. A., Woodman, T., & Callow, N. (2010). Better out than in: The influence of anger regulation on physical performance. Personality and Individual Differences, 49(5), 457-460.
2.Verborgh, C., der Auwera Van, D., Noorduin, H., & Camu, F. (1988). Epidural sufentanil for post-operative pain relief: effects of adrenaline. European journal of anaesthesiology, 5(3), 183-191.
3.Woodman, T., Davis, P. A., Hardy, L., Callow, N., Glasscock, I., & Yuill-Proctor, J. (2009). Emotions and sport performance: An exploration of happiness, hope, and anger. Journal of sport and exercise psychology, 31(2), 169-188.
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